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forever in my heart ​

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 酷く、熱い。

 闇に包まれていて太陽の光さえ拝めないというのに、体中の水分が根こそぎ奪われてしまうのではないかと思うほどに熱くてたまらない。

「血の池地獄、異常無しです」

 隣で銀髪の男が言う。紅い瞳がこちらを向いた。

 改めて見ると彼の頭部には親指大の尖った角のようなものが窺える。

 懐かしいな、再びそう思った。

「ところで閻魔大王、例の件はどうすることにしたんですか?そろそろ流石に時間的な猶予が…」

「ん~、分かってはいるんだけどね…まぁ、多分実行するよ」

 自分の表情が、くしゃっとした笑顔を浮かべるのが感じられる。銀髪の男が、そうですか、と短く返事をした。

 そうだ、彼の名前は鬼男だ。

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