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forever in my heart ​

 地を轟かすような重低音が響き、しかしそれは決して心地よいものではなく、むしろ不快感や恐怖や警戒といった心理を働かせる。瞼を持ち上げるとそこには見慣れた景色。
 見慣れている?
 辺りを見回すと、自分の黒髪が揺れた。
 暗い、だとか、闇、などと表現するにはあまりにも世界はただ黒い。見渡す限り、ここは黒を基調とした様々な色合いが黒洞となっており、恐らくはこれが人々の恐怖心を煽るのだ。
「ほら、早く行きますよ」
 声をかけられて振り返る。この世界には不釣り合いなほど明るさが映える銀髪が目に留まった。

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